2024年11月20日
現在の日本では、ご高齢の方や目の不自由な方の
歩行補助具として用いられることの多い杖ですが、
古くは王様や部族の首長や祈とう師などの権威の象徴として用いられてきました。
ヨーロッパでは17世紀から20世紀初めまで、モダンな装飾品として使われ、
社交場のファッションの一つでもあり、
実用的というよりむしろ重要なアクセサリーでした。
きちんとした人はステッキ(現在は製造中止だが当時は刀を仕込んだ仕込杖が主流)を持っていました。
杖は古墳から出土することがあり、
日本でも古代から王の権威のシンボルとして 使用されていたようです。
日本人が初めて洋風ステッキを持っているのが確認されたのは、
文久3年(1863年)江戸幕府がフランスに派遣した遣欧使節団の
パリでの記念写真とされています。
明治17年頃には日本でも紳士のアクセサリーとして流行し、
大正末から昭和初期まで若者も得意になってステッキを持ち歩くステッキ全盛期を迎えました。
杖は神様の持ち物、権威の象徴、紳士の嗜みなど
さまざまな意味を秘めているものだったのですね。
杖の歴史、奥が深いです。