こんにちは!
杖のメーカーシナノのお客様相談担当です。
お客様からの問い合わせが多い、
「高齢者の転倒予防には、一本杖と二本杖のどちらを使用すべきなのでしょうか?」というご相談。
いまは何も持たなくても歩けるけれど、つまずきやふらつきが多くなってきた…と感じて相談いただくことが多いようです。
高齢者の転倒によるけがや骨折のリスクは非常に高く、その結果として入院やリハビリ、介護の必要性が生じる場合があります。
令和元年国民生活基礎調査(厚生労働省)によれば、高齢者の介護が必要となった主な原因は、認知症、脳血管疾患(脳卒中)、衰弱と続き、「骨折・転倒」が12.5%を占め、4番目の多さです。
また、転倒による怪我が合併症や機能低下を引き起こすこともあり、高齢者の生活の質や自立性に悪影響を与えることがあります。
今回は転倒予防のために手軽にできることとして、一本杖や二本杖を持つことについて、メリットとデメリットとあわせてお話しします。
まずは、一本杖のメリットについてご紹介しましょう。
一本杖は、バランスの改善と安定性の向上に効果的です。
歩行時に片側の足にかかる負担を軽減する場合や、軽度のバランスの問題がある場合に適しています。
片手での使用杖を持たない片側の手で荷物を持ったり、手すりなどにつかまることも可能なため、階段の昇降時にも一本杖が便利です。
一本杖は比較的どなたでも使いやすいタイプが多いでしょう。
特にT字型の杖は上から持ち手を握って使用するタイプは、手ぶれや手の力が弱まっている場合でも取り扱いやすい特徴があります。
さらに、一本杖は種類が多く機能やデザインに豊富な種類があります。見た目にこだわりたい方や、使いたいときだけ鞄から取り出せる折り畳みタイプを選びたい方は一本杖を選ぶとよいでしょう。
一方、一本杖のデメリットも考慮する必要があります。
一本杖の場合、支持基底面(身体を支える底面のこと)は両足と合わせて三点でつくった大きさになります。
バランスがとりづらい方であれば一本杖だけでは十分な安定性を得られない場合もあります。
そのため、重度のバランスの問題や筋力低下がある場合には、二本杖の方が適していることがあります。
また、一本杖を持つ手はほとんどの場合に痛みが強い側とは反対の手で持ちます。
長く片側で杖を突くことや長さの合っていない杖を使用することで、身体に歪みが出てくることがあるため注意が必要です。
次に、二本杖のメリットについてお伝えします。
二本杖は、姿勢の改善と負担の軽減に効果的です。
体重を均等に分散させることや支持基底面が4点でつくられているため、安定性が高まります。
また、正しい姿勢を保ちながら歩行することができ、腰や膝への負担が減ります。
正しく長さを調整して使用することで、猫背予防にも最適です。
二本杖は医療機関や介護施設などでの使用実績も増加しており、リハビリテーションでの使用事例なども増えています。
重度のバランスの問題や筋力低下がある場合に、二本杖は特に有効と言えるでしょう。
一方、二本杖のデメリットも考慮しましょう。
二本杖は両手が塞がってしまうために、手すりなどを使用したい場合や階段の昇降時には使いにくいことがあります。
お買い物の際など片手に物を持ちたいときには不便になってしまいます。
その際は二本杖を一つにまとめるためのグッズなども活用すると、扱いやすくなります。
さらに、手の握る力が弱まっている場合や手ぶれがある場合には、安定性に影響を与える可能性があります。
二本杖の持ち手についているストラップを活用して、しっかりと手に固定するなどの工夫が必要です。
杖のメーカーSINANO(シナノ)は創業100年を超える老舗で、国産杖を豊富に取り揃えています。
特に機能面では、「長い時間使っていると手のひらが痛くなる」といった杖の課題に対し、ゲル入りのグリップを開発するなど杖を使用する方の声にこたえるよう企業努力を続けています。
より広い基底面でしっかりとした支えが欲しい方は4点杖タイプがおすすめです。
シナノは日本で最初にウォーキングポールを開発したメーカーです。
あんしん2本杖シリーズのなかでももっともベーシックなタイプで、どなたでも使いやすいのが特徴です。
いかがでしょうか?
一本杖と二本杖、どちらか最適な選択をするためには、利用者の状態や個別のニーズを考慮することが重要です。
医療や福祉の専門家と相談し、適切な杖の選択を行いましょう。
一本杖と二本杖は、それぞれの状況に応じて有効なツールとなります。
高齢者の安全な移動をサポートするために、適切な杖の使用について周囲の方々と情報を共有しましょう。