これは、夫が入院していたときの話。
少し認知症が始まったおばあさんが、別の階に入院していたそうです。
おばあさんは、杖を持っていて、その杖に鈴をつけている。
なので おばあさんが歩いて杖をつくたびに「シャン、シャン」と鈴の音がしたのです。
それはまるで、巫女さんの持っている神楽鈴のようだったとか。
ある夜、深夜に眠っていると病室の扉がすーっと開く気配がありました。
眠い中 なんだろう?と思っていると
「シャン、シャン」という鈴の音が夫の枕元まで近づいてきたそうです。
暗い病室に響くその音は、
「 まるで死神が迎えに来たのかと思った」と。
おばあさんはトイレに行った後、戻る病室を間違えたようで、
ひととおり病室を歩き回って出て行ったとか。
そのおばあさんのように杖に鈴をつけて歩く方がいる一方、
なるべくおとなしく、静かに、杖を目立たせないように、という観点で杖を選ぶ方も多くいます。
地味な色、もちろん音もなるべく出ないように。
そんな方ですと、通常歩く時の杖の音も気になってしまいます。
コツコツ、、、
「私はここにいるんだぞ、通るんだぞ、と言っているみたいで嫌だ」と聞いたことがあります。
折りたたみ杖、衝撃吸収杖など いろいろな杖の種類はありますが、
杖に機能をつけるほど部品が増えるため、どうしても杖をつくときに音が出てしまいます。
杖をついた時の音をゼロにするのは、正直むずかしいのです。
杖をつく音を減らす対処法については、下記記事もご覧ください!
杖を着くとカチカチ音が鳴る?【原因と対処法】
どうしても「杖をつく時の音を少なくしたい、音を小さくしたい」という方は、
杖を選ぶ時から、極力機能の少ないシンプルな杖を選ぶことをお勧めします。
長さ調節杖・和彩。和紙のような風合い、シンプルな色合いで人気
また、古い杖を使い続けていますと、
部品の勘合が悪くなったり、錆やガタが出たりと、
つえから音が出る要因が増えていきます。
修理できる杖ならば、愛用の杖を直して長く使うこともできますね。
お買い求めのお店やメーカーに一度相談してみて下さい。
シナノお客様相談室では、シナノの杖の修理のご相談をお受けしています
杖の音が以前よりうるさくなった気がしたら、杖の替え時のサインかもしれません。
修理をご検討されたり、杖の買い替えをご検討されてみてはいかがでしょうか。
その後 夫は退院し、「残りの人生はおまけだ」と毎日を楽しんでいます。