一般的な杖やステッキは機能で大きく2つに分類できます。
それは「伸縮式」と「折り畳み式」。
多くは杖の下側のシャフトが伸ばせる「伸縮式」
関節のように節を畳んで折れる「折り畳み式」
厳密には「折り畳み式」も「伸縮式」の機構を一部持っていたりしますので、もっと簡単に言えば「折り畳めるか、畳めないか」の2種類です。
私は「どの杖が良いですか?」と聞かれたときに、日常的に杖が必要な方であれば、折り畳めない伸縮式の杖をおすすめしています。
今記事では、その理由をメリットとデメリットのカタチでご紹介します。
グリップや、先ゴム、デザインなど大部分が同じで「折り畳める杖」と「折り畳めない杖」があれば、ほとんどの場合で「折り畳めない杖」の値段が安くなります。
理由は使われている部品が少ないからです。
伸縮杖と違い、折り畳み杖を作るためには、接合部分※を加工する必要があります。
※折り畳んだ節の凹凸が嚙み合って繋がる部分
伸縮杖であれば真っすぐ一本に繋がった部分ですが、折り畳み杖の場合はそこを分けて繋がるように加工する必要があります。
そのため部品代と加工費が伸縮式の杖よりも多くかかっているのです。
必要な部品点数が少なく、加工の工程が減る分、伸縮杖はお求めやすくなっていると言えるでしょう。
構造がシンプル分、故障する箇所が少ないのも大きなメリットです。
接続部はもちろん、折り畳み式の杖で必要になる杖の中のゴムやロープといったパーツも不要だから、トラブルになりにくいのがポイント。
同じ杖をながーく使いたいご希望があれば、伸縮式の杖をおすすめします。
構造がシンプルなこともあり、多種多様な杖が世の中で売られています。扱いやすい「アルミ製」はもちろん、強度と軽量さが特徴の「カーボン製」や、天然の木材や銘木を使用した「木製の杖」。
様々な材質で色や柄のデザインのバリエーションも多く、気に入ったものを選べるのも大きなメリットの1つでしょう。
和紙の風合いの杖 和彩 花鳥風月
上下のシャフトをスライドさせるだけだから、サイズが短くならない杖が多いです。
上段シャフトと下段シャフトだけでシンプルに構成されているので、折りたたんだり、小さくしてカバンに入れるといったことはできません。
使用中に短くするためには、ご自身の身長や体格に合わせたサイズ調節穴の位置まで変更する必要があるから、戻すのはちょっと億劫に。
小さい杖が便利になるシーンはどんなときでしょうか。
例えば下記のようなときが考えられます。
・バスや電車などの公共交通機関の中
・飛行機の機内
・レストランなどの店内
・車いすとの併用
・杖がなくても歩けるとき
狭い一定の空間で過ごす際に、小さくコンパクトにできれば折り畳み傘のようにバッグに入れられたりして便利ですよね。
伸縮式の杖を選ぶメリットは、コスト面や強度面に恩恵が大きく、
デメリットは小さくコンパクトにできない、そこに尽きるでしょう。
日常的に杖が必要な方、使う方であれば、常に手をかけていたり「杖をしまう」ということが、あまり想定されないことも。
コンパクトにしてバッグに入れる希望がなければ、伸縮式の杖を選んだことでのデメリットはほとんどありません。
ご使用者さまの使用シーン、行動に合わせて選べると使い勝手がよくなります。
杖がなくても歩ける方はバッグにしまえる折り畳み式を、
日常的に杖が必要な方はシンプルな構造の伸縮式の杖からお気に入りを探してみましょう。
折り畳み式の杖についてはこちらをどうぞ