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杖の歴史
杖は人間が作った最初の道具の一つといわれている。
エジプトのピラミッドのそばで墓守をしているスフィンクスは旅人になぞをかけ、答えられないと食べてしまうという。
「はじめ4本足、次に2本足、最後に3本足になるものはなにか?」答えは『人間』3本足とは杖の事だ。
ギリシャ神話にあるアスクレピオスという医師は、どんな病気でも治してしまう。
アスクレピオスは医学・治療の神で常に杖を持ち、その杖には1匹の蛇が絡まっていた。
蛇は脱皮しヌケガラを残すことから、若返り・蘇生・復活を示し、神秘・崇拝・守護の象徴として崇められていた。
現在も、蛇杖が世界医師会や日本医師会のシンボルマークとなっている。
杖は、古くは王様や部族の首長や祈とう師などの権威の象徴として用いられてきた。
ヨーロッパでは17世紀から20世紀初めまで、ヨーロッパのステッキはモダンな装飾品として使われ、社交場のファッションの一つでもあり、実用よりむしろ重要なアクセサリーだった。 きちんとした人はステッキ(現在は製造中止となっているが主流は刀を仕込んだ仕込杖)を持っていたという。
第一次世界大戦の頃ステッキの需要は増えた。
日本でもこの頃の写真を見るとステッキをついている財界人や政治家が多数いたようだ。
杖は古墳から出土することがあり、日本でも古代から王の権威のシンボルとして使用されていたらしい。
日本の文献で杖が初めて登場するのは『古事記』の上巻で"御杖"と記してあり、『日本書紀』でも"杖"と記してある。
いずれも"みつえ"と読み、尊敬語である。"み"とは神事に関わるものにつけられ、神聖なものを示す。
日本人が初めて洋風ステッキを持っているのが確認されたのは、おそらく文久3年(1863年)江戸幕府がフランスに派遣した遣欧使節団のパリでの記念写真であろう。
明治17年頃には日本でも紳士のアクセサリーとして流行。
大正末から昭和初期まで若者も得意になってステッキを持ち歩くステッキ全盛期を迎えた。
現在、ステッキがアクセサリーとして多く用いられている国は欧米諸国。
日本は歩行補助用が主なため、杖の使用率では後進国といえる。
こうしてみると何千年も前から杖が使われていた事がわかる。
百科事典によると「杖・・・歩行のための補助道具。普通は木や竹でつくった細長い棒で老人をはじめ、身体障害者、旅行者、登山者、行商人などの長い歩行や重い荷物の運搬に用いられる。」とある。
杖は古くは神の依り代としての性格を持っていたという。
やがて神の持ち物とされ、下っては権力者の権威の象徴や護身用としても利用されるようになった。
老人の歩行補助として、権力のシンボルとして、古代の罪を犯したものを打つ処刑具として使用された杖は、その後ファッションとしてお洒落な若者に愛用された。
杖に関する伝承として弘法大師など高僧の英雄が立てた杖が成長して大樹になるという杖たて伝説は杖銀杏、杖梅、杖竹、杖杉など全国いたるところにあるという。
このような歴史をたどり、現在ではいろいろなエレガントな杖が健康用として使われている。